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自己紹介
某企業で研究に従事しています。縁あってアメリカで研究しています。
年齢:長嶋さんの背番号(たぶん) 性別:男 性格・キャラクタ :普通・・・のはず 趣味 :読書、フットボール観戦、お笑い番組を見て馬鹿笑いする。 主義:ノンポリ。譲れないものはあるかもしれない。 主張:自分は常識人だと思う。 自分の生活について思うこと :「ヒマだけど退屈していません」 好きな食べ物 :子供がすきそうなものが今でも好き。 嫌いなもの :嫌いと言える立場にない。 興味のあること :節操無く好き。八方美人ではない(使い方が違う) ブログ歴:5年経ってますな このサイトで書かれたことが本当かどうかは責任持ちません。ただ、自分では「本当だろう」と思っています。確認をとったわけではありません。 検索
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2011年 10月 05日
徐々にですが,実験が出来るようになってきました。若い学生さんとディスカッションする機会あり。彼は優秀そう。既に面白い論文を投稿中だとの話(詳しくは聞き取れなかったけど)。もっと多くの人と話す機会が出来ると面白いのだけど。言葉の壁は予想以上に高いです。まあ,間違っても良いから話しかけていかないといつまで経っても同じなのかもしれません。
アメリカに来て,一番感心していること。 発注した試薬がすぐ来る 発注したものが次の日に来るのは当たり前みたいです。日本だと「国内在庫がないので2週間ほどお待ちください」というのが常識なわけですが,こっちではそれはほとんどありません。まあ,アメリカが輸出元なわけですから,当たり前と言えば当たり前ですけど。いちから作る場合を除き,発注したものは一週間以内には必ず届くようです。 それでもこっちの研究員は「発注してから来るのが遅い。そもそも発注システムがややこしい」と怒っています。日本に来たら発狂するかもしれません,彼ら。 PS たった今,ノーベル物理学賞受賞に関するニュースがありました。西海岸の研究者が取得したので報道したのかな?1分もないくらい短い報道でした。そういえば,あんまりノーベル賞の話題はラボでも出てなかったようです。毎年アメリカ人の誰かは選出されるので,さほど世間的に注目するような話ではないのかもしれません。まあ,地方ニュースを見ているからそう感じるだけかもしれません。 ■
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by ktatchy
| 2011-10-05 15:07
| 研究
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2011年 10月 04日
朝からPCRをしました。かなりでかい遺伝子で,かつ色々発現条件がありそうなので,「そもそもライブラリの中にいるのか?」と思い,短めの産物を得られるプライマを作製してチェック。そうすると,ちゃんとバンドが出てきました。なんだ,あるじゃん。あるのはわかったので,あとは条件検討を重ねるだけですな。
ウェスタンのほうはあまり進展なし。一応条件は決まったものの,そのゲルは購入することになりそう。自前で作ってもよいのだけど,どうもラボは購入品を使う様子。なかなかうまくいきません。 さて,ノーベル医学・生理学賞が発表されました。自然免疫(Toll)と樹状細胞の発見に対してとなりました。自然免疫の世界では阪大の審良先生が有名ですが,受賞を逃したようです。ktatchyも詳しく知っているわけではありませんが,TLRの発見自体は今回の受賞者の方が早かったと思います。ただ,その後のTLRのメカニズム解析においては審良さんの仕事は世界のトップを走っていました。オリジナルの発見に対して与えられるノーベル賞の性質でしょうか。そのメカニズム解析の発展に対しても受賞例がないわけではないと思うのですが,なかなか難しそうです。(アポトーシス関連の受賞があったときも,長田先生に声がかかりませんでしたね,確か)。 日本では「山中先生が受賞するのでは」ということで話題になっていたようですね。こっちでもそうでした。東海岸のK君によると,共同受賞すると目されている研究者の方がご高齢で,今回が受賞のチャンスではないかという意見があるのだそうです。体細胞の核を卵細胞に移植し,生体が誕生することを証明した研究者だそうです。山中ファクターも,この研究がなければ生まれていなかったかもしれません。 欧米の研究者は「ストーリーを作り,それにあわせて実験をデザインしていく。だから仕事が速い」というのが通説みたいです。それを感じられるほどktatchyはアメリカナイズされていませんが。だとすれば,上記の発見もそういった「ストーリー」を描いた上で発見されたのでしょうか。ひょんなことから素晴らしい研究が始まると思っています。しかし,何もないところからそんな素晴らしいストーリーを描けるのだとすれば,その発想力にとても興味があります。 ■
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by ktatchy
| 2011-10-04 13:38
| 研究
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2011年 09月 30日
実験はなかなかうまくいかず。ウェスタンで検出できない,PCRしても走らない。。。学生か,俺は?相手は巨大たんぱく質であり,ある刺激下でしか発現が認められない可能性あり。。。。難しそうだぞ,これは。。環境になれないうちに,難しい仕事をやるのはなかなか精神的に厳しいものがあります。
さて,今日は久しぶりのグループミーティング。聞いていて,「このプロジェクトの目的が全然つかめない」とか,「実験結果は再現性が取れていないし,有意差もあまりなさそう。これでいったい何が言えるんだ?もっとここを詰めないといけないんじゃないか?」とか言ってみたくなったのですが,当然言いません。いや,言えません。白熱した議論の中ではこういったネガティブな,というか根本的なことはなかなか聞きづらい。でもひとつは言いましたが。 ボスは結構発言します。まあ,どこのPIも自分のラボミーティングでは結構発言すると思います。彼しか話しているわけではないので,まあ普通の光景でしょう。そのうち指導している研究員とボスの世界になってく傾向はいかがなものかと思わないでもないですが。 ある研究員が質問したときのこと。横からボス登場。 「君の質問の意図はよくわかった。で,きみはどうすれば君が問題と考えている点を解決できると思うんだ?」 ボスは結構こういう主旨の問いかけを質問者にします。批判しっぱなしや質問しっぱなしは無責任だ,と感じているのかもしれません。常に前に進める展開を求めている節があります。日本ではあまり見かけない光景です。 質問しないお地蔵さんもいるにはいますが,ここのゼミでは発言していくことで成長出来そうな気がする,と思う今日この頃です。まずは議論についていけるようにならねば。 ■
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by ktatchy
| 2011-09-30 13:44
| 研究
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2011年 09月 29日
今日のタイトルは,アメリカに来て一緒にやるポスドクに「まず何からやればいいんだ?」と聞いたときの返事でした。その返事を聞いたとき,思わず言葉に詰まってしまいました。
企業から共同研究で派遣されているのだから,当然共同研究の範囲内で仕事をするべきです。しかし,ここはアカデミック。共同研究の範囲内で,やりたいことをやるべきだということなんでしょう。実際,ラボのボスも「適当にやりたいことを選んでくれ」と言われました。 長らく,「何がやりたいか」ということから気持ちが離れていました。もちろんやりたいのは「研究」です。じゃあ具体的に何を研究したいのか,と聞かれたときに「○○を治療するための薬を作るための研究をやりたい」となるわけです。 入社以来,ktatchyは「企業研究者には様々なものに興味を持てる好奇心が必要だ」と考えてきました。これは今でもかわりません。たったひとつのネタのみで10年続けられる企業研究者はそうそういないでしょう。製薬の場合はなおさらです。自分が担当するテーマに対して常に興味を持てるだけの好奇心が必須だと思っています。 しかし,これは「テーマはどっかから降ってくる」ということを前提にしています。こちらに派遣される前に,ktatchyもいくつかテーマやテーマを見つけるスクリーニング法を提案したりしましたが,今のところ実現の目処が立っていません。 いま置かれている環境は,まさにテーマを提案するチャンスだと思います。共同研究の範囲内であれば自由に出来る。「降ってくるテーマを面白がれる研究者」のままか,「テーマを探し当てることも楽しめる研究者」にもなれるのか,それを今試されている。 きょう久しぶりに博士の生き方を見ていて,そんな気分を思い出しました。 がんばりましょう。 ■
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by ktatchy
| 2011-09-29 14:05
| 研究
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2011年 09月 27日
今週の課題は「たくさん話しかけること」です。今日は少なくとも今までの中で一番人に話しかけたと思います。地道にコミュニケーションを築いていこうと思う今日この頃。
そういえば,昨日東海岸のKくんと話して,Research Associateがどういうポジションなのかおおよそわかりました。「うちにはResearch Associateがいる」というと,「そりゃビッグラボだよ」と言われました。Research Associateというポジションは,いうなればPIから直接指示を受けて実験を行う人が就くのだそうです。いうなれば,PIがブレインとなりテーマを動かすための実験担当者です。テクニシャンといえばテクニシャンなのですが,日本でいうそれとはやや異なるように思います。 一方,ポスドクはやや立場が異なり,独立したポジションです。研究のブレインはポスドクであり,PIはそのサポートをすることが主体となります。PIの意向が研究にものすごく反映されるラボであれば,ポスドクでもテクニシャンでもResearch Associateでもほとんど差がないかもしれませんが,ktatchyのいるところはその辺りの役割が明確に区別されています。なにせ忙しそうなPIなので。。。 今日から本格的に実験を始めています。ちょっとビックリしたのですが,Western Blottingの検出にこちらは写真を使っています。ええ,フィルムに感光させてバンドを検出する方法です。はずかしながらktatchyはLASしか使ったことがないのですが,アメリカでは結構使っているところが多いのだとか(K君のところもフィルムだそうです)。 「なんでLAS使わないの?」とポスドクのJ君にきいたところ,「LASは高いじゃないか。フィルムでも同じ結果が得られるし,それでいいと思っているよ」とのこと。 もうひとつ驚いたのが,器具の洗浄。日本だとWestern BlottingやTransferで使う実験器具は使用するたびに洗剤で洗うと思います。すくなくともktatchyがいたラボはそうでした。しかし,こちらはそうではないようです。 今日実験を終えて器具を洗おうとしました。すると,どこを見回しても洗剤が見当たりません。棚には「いったいいつから使っていないのか」と思うほどカピカピに乾いたスポンジ。 通りかかったBさんに聞いてみました。 「ここでは実験器具は使った後洗うよね?」 「洗うよ」 「洗剤で洗わないの?」 「水ですすいでいるよ。同じ試薬使うんだから,それでいいんじゃない?」 そーいうものなのか。。。。そういえば会社でも同じものを使うと分かりきっている器具は水洗いだったような記憶が。。。いやいや,どうだったか。。。 「洗剤はないの?」 「もちろんあるよ。実験用洗剤が」 粉洗剤が出てきた。。。今から洗濯でもしようか。。。ってそうじゃないだろ! 慣例に従い,ktatchyも水洗いで済ませました。 よく考えれば,これらの器具はそんなにきれいにする必要はないと言えばない。「じゃあメスシリンダーとかどうしてんの?」と思われる方もいるかもしれません。それらは洗ってくれる人がいます。 進んでいるのか,そうでないのか悩んでしまう今日この頃です。効率的にモノを進めるという観点では許容されるのかもしれませんが,慣れるまでは時間がかかりそうです。 ■
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by ktatchy
| 2011-09-27 13:37
| 研究
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2011年 09月 21日
大学での事務作業はあらかた終了し,本格的に実験に取り組み始めました。といっても,ほとんど実験していませんが。ktatchyの立場はポスドクでもないし,ましてや学生でもない。誰かがつきっきりで教えてくれるわけではないのです。そんなに暇そうな人もいないし。今のところ誰がどんなことをやっているのかも皆目不明なので(ラボミーティングがほとんど開かれない),役割がよくわかりません。
ktatchyは勝手に「研究は学生とポスドクがやって,テクニシャンはそれを手伝う」と思っていましたが,どうも様子が違います。テクニシャンの方も(Research Associateと呼ぶようです)普通にテーマを持って研究しています。今のところktatchyにはポスドクとResearch Associateの違いがわかりません。年齢が結構上のResearch Associateも結構いて,彼らは研究や実験がすきなんだろうな,というイメージを持ちます。 このあたりの仕組みはまだまだ理解できていません。ただ,日本のイメージとはだいぶ違うような気はします。 実験を始めるにあたり,ktatchyは当然色々な人に聞かなければ試薬ひとつ作れませんし,機材のひとつも探し当てることが出来ません。今日痺れを切らして,一緒にやっている(?)ポスドクに「君が忙しいのは理解した。代わりに物の場所やプロトコルを教えてくれる人を紹介してくれないか」と頼み,ようやく時間をとって色々聞くことが出来ました。 その結果わかったことは,企業での消費ペースで実験をするのはまず不可能ということでした。まあ分かっていたことではあるのですが,実際にアカデミックに戻ってきて「恵まれたところで実験していたんだな」と痛感しています。 今週は面食らうことが色々です。学生時代に戻ったつもりでサンプルバッファーとか作ってみます。 ■
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by ktatchy
| 2011-09-21 15:14
| 研究
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2011年 09月 13日
今日は教育訓練でした。
何の教育訓練かといえば,「放射性同位元素を使うときはこうする」とか「BSL2はこういうものだ」とか,そんな感じです。ざっくり言うと,実験をするために身に付けておかねばならない基礎知識を学習する,そういう趣旨の教育訓練です。 会社でも大学でも教育訓練があります。放射性同位元素や組換え体を取り扱う場合,教育訓練を受ける必要があります。これがまた面倒で,しかもほとんどの人が聞いていないわけです。参加者は「出席することに意味がある」,主催者は「開催することに意味がある」とおそらく思っているのでしょう。もし本気で学ぶ気なら内職道具は持っていかないだろうし,本気で教える気があるなら何がしかの工夫をするのが普通だと思います。 さて,ktatchyが受けたものは オンラインでの教育訓練でした。 音声付でスライドが30枚くらいあるのです。スキップすることはもちろん出来ない。ただボーっと眺めているだけでもよいのですが,最後に確認テストが10-15問くらいあるのです。ここで80%以上正解しないと,また一から受けなおすはめになります(実際もう一回やることになった科目がある)。 この教育訓練,自分が必要とされるものだけを受けます。コース自体はたぶん20以上あると思われますが,ktatchyは8つ受けました。いつまでに受けなさいという指示はありません。受けて合格しない限り,実験が出来ないだけです。どれだけ合格したか履歴が残るのです。。。。 このシステム構築にどれだけのお金を費やしているのかわかりませんが,日本の退屈な(少なくともktatchyが大学で受けたものはそう)教育訓練よりもよほど有意義でした。 ■
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by ktatchy
| 2011-09-13 14:05
| 研究
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2011年 09月 08日
というわけで,研究生活がスタートしました。最初のミーティング(先週)の内容はまあまあわかったつもりだったのですが,今日参加したラボミーティングは。。。。
ぜんぜんフォローできない。 発表自体はなんとかついていけるのですが,ディスカッションになるとフォローするのがやっとで,疑問を考える余地が全然ない。今までほぼノータッチである分野だということを差し引いても,少々厳しいなあ。日本語であればまだ話せるのだろうけど,英語だとなあ。考えをダイレクトに英語にするスピードはこれから上げていかねばならないと思う今日この頃。 議論自体はかなり活発に行われていました。参加者は10人以上いましたが,ほぼ全員発言していました。質問の種類は様々でしたが,基本的には発表者を立てるものが多かったですね。否定から入らないのが基本,そんな印象でした。知識が増えるともう少しフォローできるようになるかもしれません。 実験自体をはじめるのはもう少し先の話になりそうです。セットアップだの教育訓練だの,色々とあります。そもそもインターネット使えてないし。「ちょっと時間がないからあさってまで待ってくれ」というIT部門からの返事。アメリカの方々は自分の予定を変更されることを嫌うようです。日本だと飛び込みの仕事でも優先してやってくれたりしますが,アメリカでは飛び込みの仕事を空いている予定に優先的に入れてくれます。すぐには対応しません。こっちが急いでようがなんだろうが。。。 そういえば,今日のラボミーティングは3時間の予定だったのですが,3時間経過すると強制終了となりました。まだ発表者は発表していたんですが。「この時間まで」と決めた場合はなんだろうがそれを遵守するボスなのでした。お忙しいのもあるだろうけど。 そんなわけで,まだまだ助走中のktatchyでした。家の近くにある韓国料理店がとってもおいしかったです。豆腐の鍋みたいなやつ(名前が出てこない)がよかったです。野菜もとれて大満足でした。まだまだアメリカ食(でっかいステーキ,みたいなやつ)には手を出せていないktatchyです。 ■
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by ktatchy
| 2011-09-08 15:18
| 研究
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2011年 08月 29日
もう8月も終わりですね。海外なら新学期が始まる時期です。
それにかこつけて何なんですけど、 渡米することになりました。 出張ではなく、赴任です。そう海外赴任です。 話自体は3月くらいから聞いていたのですが、ビザやら先方との調整等で今に至りました。 赴任先では基礎研究に従事する予定です。簡単に言えば薬の種探し。 企業にいて基礎研究をできる機会はそうそうありません。 そして、アメリカで研究できる機会もそうそうありません。 そんなわけで、それなりに楽しんでこようとおもいます。 願わくば、一旗上げる気持ちで。。。。 このブログをどうするかはまだ未定ですが、続けるんじゃないかと思います。 Facebookやれば?なんて意見も複数から聞きますが、まあそこは企業人なんで。。。 そんなわけで、もうすぐ渡米です。がんばります。 ■
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by ktatchy
| 2011-08-29 20:03
| 研究
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2011年 07月 07日
最近でた,nature reveiws drug discoveryの記事。
How were new medicines discovered? なぜかフリーで読めてしまっています。フリーの記事かもしれません。フリーにするにはもったいない記事だと思いますが。 そのタイトルが示すとおり,なかなか勉強になる分析です。過去10年FDAが承認した新薬が見つかった経緯を調べ,「新薬を見つけるにはどうすればいいか」を考えています。 新薬を開発するメーカーはみな苦しんでいます。今年に入って,「なんでこんなに難しいのか。現状を変えるにはどうすればいいのか」についての文献が多く出ています。 1990年代に入り,遺伝子工学の発達により「target based screening」という概念が多く出てくるようになりました。最初から特定の酵素や受容体に特化した薬を開発する。そういう手法をができるようになり,遺伝子工学的手法の発展と並行して花盛りになります。これに対応するのが「phenotype screening」です。これは特定の現象に影響を与える化合物を探そうという手法。細胞が増えるとか,動くとか,そういった「現象」に注目した方法です。この時点では,その化合物が何に触っているのかは明確ではありません。実際,化合物が何に触っているかを明確にするのはなかなか難しいのです。 この文献の解析によれば,「target based screening」と「phenotype screening」では後者のほうが本当の意味での新薬(今までに似たようなものが報告されていない。first in class)を見つける手法として,統計上は優位であるとのことです。 これは自分にとって驚くべき結果でした。ターゲットを明確にした上での薬開発のほうがリスクが少ないはずなのに,実際には「リスクの高い」,何に触っているか明確にしづらい手法で開発していったもののほうが成功数が多い。この事実が意味することは何なのか。 筆者も文献中で触れていますが,target based screeningでは往々にしてtargetに執着した開発になりがちです。また,そのターゲットは本当に病態に関わっているかを明確にすることは容易なことではありません。まさに「木を見て森を見ない」という状況に陥る,というわけです。一方,phenotype screeningでは「現象に影響を与える」という観点から開発されています。そのターゲットは不明ですが(最終的には明らかにしようとしますが),確実に現象に影響を与えるし,意外な効果(副作用かもしれませんが)も見ることができるかもしれない。難易度は高いですが,薬の動きを捉えることができるという意味で有用かもしれません。 この記事を読んでの感想は,「両方を組み合わせるのが理想だな」ということです。確実に効くと考えられるターゲットがあるのなら,それはtarget based screeningをすればよい。実際,2番手,3番手の薬の大部分はtarget based screeningで開発されています。しかし,ターゲットがどうしてもわからない,あるいはターゲットを単離精製できないのであれば,思い切ってphenotyped screeningをすればよい。target based screeningでやったとしても,最終的にはphenotype screeningの観点に立って開発を進めなければ成功は難しいでしょう。 今回紹介した文献は,製薬に関わる人間であればぜひとも読んでおくべき内容だと思いましたので,紹介してみました。 ■
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by ktatchy
| 2011-07-07 23:54
| 研究
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